口説き文句だと気がついても気がつかないフリをすべし

今私が考えるべきは

いかにこの状態のまま逃げ果せるか

それだけだ。

一番気分のいい状態のまま逃げてしまえるかどうか。

彼に捕まった時、自動的にリスクを負うことになる。

得られるリターンは、リスク以下だ。

職を失うかもしれないリスク

傷ついた人の予測不能の行動

万が一本気になられた時、なってしまった時の後処理

これ全て、「寂しさを埋めたい」という欲求の代償となるのか。

勘弁してほしい。

でも彼のことは好きだ。

好きだから、このままがいい。

受け入れない。欲しがらない。

リターンはいらない

リターンよりもリスクが大きい

私の愛情はそれくらい

強く想う人は、私を求めてはくれない

それを慰めて欲しいという軽い動機では

そのリスクは負えない

理性が勝つか弱さが勝つか

ただ口説かれるのが嬉しいだけかもしれない

リスクを負う覚悟はない

だけど目を覚ましなさいと諭すのも虚しい

そうか。「受け入れてはいけない」・・・かな。

傷つく人がいます。

二人とも好きだけど一人は好きになっちゃいけないひと

ブログやＳＮＳで見られている自分を意識すると書けないことは多いさ

王様の耳はロバの耳って、穴掘って言ってみたい人は沢山いる。

ほんのちょっとの「好き」に依存してそれが恋と呼ばれるのであれば

私は多分身が持たない。

あの時逃げなかったら、この人はどんな風にあたしを抱いたのだろうかと妄想してしまって寝付けない

寝たふりでしょう

あたしの方を見ないようにして

葛藤していたのでしょう

決して逃げられないように抱きかかえたくせに

一瞬躊躇して逃がしたのは何故

「ピアスは開けてないんだね」

そんなことを言いながら背後から首筋に触れ

動じないあたしの耳元で

「どうすればスイッチ入れてもらえるの」

と囁く声に少し微笑った瞬間

首筋から頬に伸びた指先が熱く

肩を微かに振るわせた刹那

その腕はあたしを固く捕まえたのだ